人生にはいくつかの転換期が誰にでもあると思います。
結婚や離婚、就職や進学、他にも、自分ならではの転換期が。
自分の場合は、マンガを描き始めて、商業誌で仕事を受けるようになった頃もひとつの転換期でしたが、ひとり暮らしを始めて、一匹のネコと出会ってからの生活が劇的に変わったような‥
子供の頃から、家にはネコを飼っていたので、ネコと暮らすのが初めてでもなかったのですが、自分だけの稼ぎで生活する一人暮らしで、更に生きものの命を預かると言う責任がともなったというのが、自分の生活に重さを与えたようです。
まんが「うちのねこ」0|クロ子さんとの出会い
上記のマンガは、竹書房『本当にあった愉快な話』という雑誌で連載していた「オフレコアワー」というマンガの最終回となりました。
その頃は、創作マンガが描きたかったのと、自分の身の周りの話を描くのがつらくなってきたので、やめさせてもらいました。
編集さんにはとても良くして頂いてましたし、打合せでお喋りも楽しかったのですが、あの頃は自分なりに色々考えていたのですね。
どうにも要領がヘタなのは昔からで、当時も担当の編集さんに、
「ネコマンガ動物マンガが流行っているから、クロ子ちゃんの話を描いてみたら?」
と、何度も提案されていたのですが、頑固なわたくしは
「安易なペットブームに乗りたくない」とかなんとか言って断ってたのではなかったかな。
それが嫌なら、そうならないような作品を作れば良かったんですが、そんな技量もまだなかったのです。
「今あるのか?」と問われれば、さてどうなんかなあ‥って感じですが‥。
「最後ぐらい担当さんの言う事聞いて描こう」と思って描いたのが、今ではとても良い思い出を切り取った作品となっています。